eco検定とエコピープル
インタビュー
  • 全員参加で環境問題に取り組もう
2008/05/13
日本百貨店協会専務理事(現・顧問)平出昭二さん

  日本百貨店協会専務理事(現・顧問)
  平出昭二さん

記事提供:月刊 地球環境 <4月号>

――エコ検定を受けようと思った動機は。

「環境に対する意識を変える2つのターニングポイントがありました。三越の役員だった1989年当時、ある人から地球環境問題が深刻だと聞かされました。例えば割り箸の使用による森林の破壊や、自動車ではなく自転車を利用するという話です。そして企業ももっと環境問題に取り組むべきと言われました。地球環境悪化の認識はありましたが深刻には受け止めていませんでした。その後、百貨店でも包装紙削減などに取り組みましたが、環境意識よりもコスト削減意識のほうが高かったと思います。」

――もうひとつのターニングポイントとは。

「2004年に百貨店協会に来てから、また違った観点で勉強し直しました。人口動態のデータを見ると、1960年に日本の総人口は9400万人(労働人口6000万人)。それが2004年には1億2700万人(同8600万人)になり、2040年には1億300万人(同5800万人)になる。つまり40年かけて増加してまた40年かけて減少する。1960年からの40年間というのは、まさに大量生産・大量消費・大量破棄の時代で、まさしく自分が百貨店で働いてきた時代と重なります。私には小学生の孫がいますが、次の世代に負の遺産を残してはいけないと強く思いました。そんな折、エコ検定の記事を見つけて受験したのです。」

――合格したことでのメリットや仕事での変化は。

「業界を指導・推進していく立場としては、よい意味で自分にプレッシャーを与えることにもなります。社会的には、企業がどれだけ環境に関して真面目に取り組んでいるかという『環境経営』が重要です。また個人としては『自主行動基準』ではなく、国・企業・地域・家庭・個人という5つの各段階が同じ方向を見なくては解決できません。私は家庭では食器洗い担当ですが、洗剤は使いません。また、ゴミ出しや細かい分別もします。待機電力にも注意し、エアコンは絶対に2台以上は使いません」

――百貨店協会での取り組みは。

「百貨店は小売業界で6%のシェアですが、これまで二酸化炭素(CO2)の削減実績では、1998?2007年の10年連続で1990年比マイナス3%の目標を達成しています。また、昨年秋の産業界の自主行動計画のフォローアップで、2008?2012年には1990年比でマイナス6%に目標変更しました。昨年6月には『マイストレージ袋』というのを500円で2万枚製作し販売しました。これからは『レジ袋全廃』をスローガンにして、今年の6月も販売する予定です。協会としても2008年を環境元年にすべく動き出しているところです」

――地球温暖化にどう向き合うべきですか。

「日本人は実害がないと動きませんが、環境に関してはそれでは駄目だと思います。温暖化の影響は世界各地で実際に出ており、百貨店の内部では『地球温暖化』ではなく『地球破滅化』と言っています。今、起きようとしているのは『地球破滅化』です。

今の時代を生きる私たち現役世代がきちんと対策を取らねば、そのつけは孫子の将来世代に及んでしまう。ですから、われわれは温暖化防止に自主参加ではなく全員参加で取り組まねばいけません」(編集部)

《プロフィール》
平出昭二(ひらいで・しょうじ) 

三越元専務。1963年三越入社。89年取締役事業開発本部長、常務、専務を経て2004年5月から現職。鎌倉市出身。

【月刊 地球環境】産経新聞社の環境総合誌(発行:フジサンケイ ビジネスアイ)で創刊は1970年。地球温暖化、廃棄物とリサイクル、化学物質、公害など広範な環境問題について、中央省庁、企業、自治体、市民の4つの視点から報道。新聞情報だけでは分からない問題の全体像を深く掘り下げ、環境問題に関心のある方には必読の雑誌。問い合わせは、編集部03?3273?6045、申し込みはURLへ。

このページのトップへ