ファーストステップは、多くの人が知識を共有すること
eco検定(環境社会検定)の大きな意義は、多くの方々に環境についての基本的な知識を持っていただくことです。
環境保全の標語に、「Think Globally, Act Locally」という言葉があります。地球規模で考え、行動は足元からという意味ですが、まさにeco検定も「Think Globally, Act Locally」。目指すところはグローバルな「地球環境の改善・保全と持続可能な社会の形成」ですが、一人ひとりが、環境についての基本的な知識を持ち、ローカルな身近な問題として環境問題を捉えていただきたい。その第一歩がeco検定であり、職業や年齢、性別を問わず、数多くの方々に参加してほしいのです。
将来的にはエコ資格の共通一次試験に

たとえば、エコピープルの方々が、それぞれの問題意識によって勉強をつづけられるよう、環境と「食」、環境と「住」、あるいは、環境と「経営」といった専門的な学習プログラムを、他団体との連携も視野に入れながら将来的には創っていきたい。様々な団体や行政とリンクして、より高度な資格試験制度を整備し、有資格者には企業や商店街等のアドバイザーとして活躍していただければと考えています。つまり、eco検定は、大学受験で言えば、さまざまなエコ資格の共通一次やセンター試験のようなものになればと思います。
企業や行政と生活者を結ぶエコピープル
現在、少子高齢化が進む中、地域の重要性が叫ばれ、コミュニティの再生が急務となっています。これまで行政が担ってきた福祉や環境、健康や安全などについても、地域を中核に生活者自身が取り組まなければならない時代がきています。たとえば、こうした問題で誰かに相談したい時、「福祉については私にたずねてください」「環境のことなら任せてほしい」といった人々が地域の中にいて、気軽に相談できる。昔で言えば、長屋のご隠居さんのような存在が求められています。商工会議所の目的も、商工業の振興とともに、地域社会の調和ある発展と福祉の向上に資することにあります。実は地域の人材育成も検定の大きな役割のひとつなのです。
eco検定以前に東京商工会議所が企画した検定が4つあります。そのひとつ、「福祉住環境コーディネーター検定試験」は、東京商工会議所としては、初めて社会一般の福祉の増進という観点から人材育成に乗り出した検定でした。この受験者層は、非常に幅が広く、企業関係者や学生だけでなく、一般の主婦の方や高齢者の方も参加されました。そして、合格した方々の多くが、獲得した知識を何らかの形で生かしていきたいと、各地域の中で独自にグループをつくって活動しはじめたのです。
福祉住環境コーディネーター検定試験は、7年間で受験者が90万人を超え、合格者も30万人を越えています。今度は、環境の番です。商店街の店員の方や一般の生活者の皆様がeco検定に参加され、環境についての知識を持つことで、「最近なぜ、レジ袋を渡さなくなったのか?」「ゴミの分別は何故必要なのか?」といった疑問に答え、多くの人々に知識を伝えていってほしいのです。eco検定に合格したエコピープルの方々は、必ずや、生活者と行政、あるいは生活者と企業の橋渡し役になりながら、様々な問題意識をもって活動していくはずです。
環境意識の高い企業、団体を支援する「エコユニット」認定
生活者だけではありません。企業にとっても、環境部門の担当者だけでなく多くの社員が環境についての基本的な知識をもつことは、CSR(企業の社会的責任)の観点からも有効なだけでなく、環境を機軸とした新たなサービスや商品開発、事業展開のヒントとなるはずです。
さらに、企業のステータスやイメージアップも考えられます。中小企業のみなさまの中で、環境対応の意識があり、ISOを取得したくても、時間的、コスト的に難しいという企業も多いはずです。そこで、全社をあげて積極的にeco検定に取り組んでいこうとする企業や団体を、商工会議所が「エコユニット」として認定し、将来的には、Webでの紹介や表彰等をおこなうことも検討しています。この「エコユニット」は、会社だけでなく、部署ごとや、商店街、NPOも認定していく予定です。
実際、eco検定開始にあたって、ヒアリングをさせてもらった企業の反応は上々です。数年前であれば、「環境意識が高まると企業としてはやりづらい」「商工会議所が何故こんな検定をやるのか」と、不平をもらす企業もあったかもしれません。しかし、今では逆に、多くの人々に、環境問題について正しい知識を持っていただいたほうが、企業としては行動がしやすいという状況に変わっています。環境意識の低い企業は生き残れない時代になったということでしょう。その意味では、将来、就職を考えている学生さんにとっても、eco検定合格は企業へのアピールとして必ず役に立つはずです。
通常、東京商工会議所が企画した検定試験は、初年度は東京のみの開催でしたが、eco検定は非常に期待度が高く、初年度から全国33の商工会議所でスタートします。今後は大学との連携も視野にいれています。東京商工会議所の会員となっている大学がいくつかあり、eco検定を通じて、大学と地域と商工会議所が結びついていく可能性もあります。
様々な将来展望や交流展開が期待できるeco検定。その社会的な意義を理解していただき、より多くの方々に受験していただければと考えています。



















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