エコピープル

雪資源で北海道経済を活性化しよう~沼田町利雪研究会と企業の協働~

赤尾 章

Profile

活動エリア 北海道
eco検定合格年 2016年(第21回)

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自己紹介

 私はコンビニエンスストアーの物流を受託で営んでいる会社で、障がい者雇用の責任者をしております。自社内で、障がい者の方々のそれぞれの強みを活かすことができる作業環境を、もっと増やすことはできないかと、日々構想を練っていました。
 昨年11月、当時受講していた経営塾で、「顧客の痛みを解決する新規事業を考える」というテーマの課題が与えられ、自分が生まれ育った北海道に、大人として、企業人として、恩返しがしたい、そのためには今の自分に何ができるか、と思案しました。
 ちょうど雪が降り、積もりはじめる季節でした。雪は、めったに降り積もらない地域の方々にとっては、ロマンチック、ウインタースポーツ、雪まつり…と、美しく、楽しめるものという、プラスのイメージが強いと思います。
 しかし、北海道をはじめ、雪が降る地域では、冬の足音が聞こえると憂鬱になる、まさしく「厄介者」扱いです。
 除雪・排雪にかかっている多額の費用(札幌市だけでも毎年200億円)は、われわれの納めた税金から支払われています。
雪をただ捨てるためだけに使われる税金がもったいない。税金は、もっと他のことに有効活用したい。
寝る前に、翌日の天気予報を見て、「あー、また朝早起きして雪かきかぁ…」と溜息をつかなくなるにはどうしたらよいだろう。
これを逆転の発想で、〈雪を資源化〉できないものか、と考え始めるようになりました。
それから徹底的に雪の資源化について調べ上げ、たどり着いたのが、雪の研究の第一人者室蘭工業大学名誉教授 媚山政良先生の研究成果でした。
先生は2008年の北海道洞爺湖サミットで、大規模プレスセンターの雪冷房を世界にPRした方です。
そして、長年の功績が評価され、昨年度の北海道科学技術大賞を受賞されました。その媚山先生の素晴らしい構想を実現化した町こそが、北海道沼田町なのです。
施設見学をするために、早速現地に赴き、町の方々の雪に対する熱い想いを聞かせていただきました。深い感銘を受けて、町民以外なのにもかかわらず、懇願して「沼田町利雪研究会」に即入会させていただきました。

eco検定へのきっかけ

 雪の資源化について調べると、新エネルギーとして注目されている「雪氷熱エネルギー」というものがあることがわかりました。そこで、環境全般に関する知識を体系化する必要性を感じたため、エコ検定を受験しました。勉強しながら、「合格したら、エコピープルの名刺を作って、お目にかかった方に渡そう」と、楽しみにしていました。今それが叶い、実際にお渡しすると、みなさま興味津々にご覧になり、環境の話のきっかけとなり、会話が弾むのが嬉しいです。そして、私自身がエコピープルであることが、自社が環境経営を行っている最高のPRになっていることも感じ、誇らしく思っています。

エコピープルとしての活動

 利雪研究会での研究事例は、農業に携わったことのない私にとって、非常に興味深く、毎回驚きと感動の連続です。
 野菜の中には雪貯蔵することで、鮮度が長く維持できるようになり地元のものを年間通じて食べられるようになるものや、貯蔵中に甘みが増すものもあります。また、雪による冷房によって、お花の開花時期を変えることもできます。
 野菜価格が高騰している昨今ですが、北海道でも季節を問わず野菜の安定供給ができるようになったら、お客様に安価で提供できるようになります。また、フードマイレージを下げることでCO2の削減にも貢献できることを、エコ検定での学びによって気づくことができました。
 雪の「資源としての無限の可能性」を学んでいると、ビジネスチャンスが拡がっていく感覚が芽生えて、どんどん発想が膨らみます。
 学業界の名誉教授と、日々研究を続け、成果を残している行政、沼田町役場の利雪技術開発センターのみなさまには本当に感謝しています。世界的雪研究の権威である媚山先生から直接アドバイスをいただけるという、非常にありがたい機会に恵まれ、また、食品を扱う会社で勤務する私にとって、生産者の話を直接聞くことができるのは大変貴重な機会でもあります。生産者の思いを、美味しいものを美味しいまま、風味を損なうことなくお客様の元に届けたい。安全で、美味しいものをお客様に提供することは、食品を扱う会社の大切な使命です。
そして、それを食べて日本のこどもたちに健やかに育って欲しいと強く感じています。

 沼田町と札幌という地域の壁を越え、行政と企業という枠を越え、小さいながらも、産学官の連携を実現できていることに喜びを感じています。そこで私は、企業人として、長年の努力の賜物、研究技術の集大成である成果物を、マーケティングの力を持って発信し、マネーフローを生み出すことで地域経済活性化に尽力したいと考えています。

 また、雪資源パワーによって生産・加工された、とってもおいしい食材を、北海道の小さい町と中小企業の連携により、越境すること、海外市場で販売することを、私は目標としています。
天の恵み「雪」を厄介者扱いせず、感謝して「共生」する。そして、まちと企業の「協働」で北海道経済を活性化するために、今日も頑張っています。

エコピープルとしての今後の活動計画

 沼田町は、雪資源による食料備蓄基地構想を実現したいという思いがあります。
日本人の主食であるコメの食料備蓄がしっかりと確保されていたら、世界情勢に不安要素が多い昨今の国防の一翼を担うと共に、大地震や洪水等の災害が発生したときに、多くの国民が飢えに苦しむことなく、その命を救うことができるのです。
 雪資源による貯蔵は、「古米なんて美味しくない」という既成概念を覆します。
今すぐにでも、生産過剰の作物を棄てるという「もったいない」行動をやめ、「まさかのとき」に備えて保存することで、余剰生産物を宝物に変えることができるのです。
 その実現に向けての私の役割は、北海道に雪資源の大切さと素晴らしさの認知を拡げることです。そして、それが現実化されるときには、物流・運送のシステムを構築するときのお役にも立てればと思っています。

 また、自分の合格発表が終わってすぐに2名の知人に本年7月のエコ検定を受験してもらう約束をしました。1名は自社の関連会社の方で、運送業で雪を活用した新規プロジェクトを2人で考えておりまして、「将来実現したら社会に貢献できるね」と夢を楽しく語り合っています。
もう1名は、経営塾の仲間で和歌山県の方です。この方は、今まで廃棄物だったものを、身体によい食品として再活用し、販売しています。エコ検定の存在をまったく知らない方でしたが、その方の事業には「食べ物にもったいないをもう一度」の精神が、しっかりと反映されていることをお伝えし、エコ検定の受験をお勧めしました。
この2人が合格した暁には、私を含めた3人で、エコユニットを組みます。
計画しているのは、北海道と関西地区のコラボレーション事業で、東京オリンピック・パラリンピックの応援プロジェクトです。エコの大切さを全国に、そして、世界に向けてPRします。

社会へのメッセージ

 2022年から未曽有の人口減少社会に突入する日本の経済を、われわれは支える準備をしていかねばなりません。企業は、時流を知らずして、戦略的経営はできないと感じています。
 ここであえて「戦略的」と書いたのは、環境保全というと、どうしても「守り」の感覚が世間一般には強いからです。しかし、エコ検定の勉強をすることで、環境経営は、今後の企業イノベーションに必須であり、「最高の攻め」になることが理解できます。
 日々、環境問題について様々なメディアで警鐘を鳴らしていますが、なんだか他人事で終わってしまっていることこそ、私は危機的状況であるように思います。
「小さくてもなにかアクションを起こす」、「できることからでかまわないから始める」、それがエコ検定のクレド“Think Globally. Act Locally.”です。
 企業は、各々の分野で、地球を守るリーディングカンパニーとなり、将来日本を担っていく学生に、各々の地域で環境保全の大切さを伝達していく義務があると感じています。一企業人として、こどもたちの未来のために、持続可能な社会をつなげていけるよう日々努力してまいります。
エコの本来の意味は、ecology(生態系)ですが、これを「Enjoy Connective Our future(エコで、われわれの未来がつながることを楽しむ)」と転換し、私のクレドとして拡げていきたいと思っています。

eco検定受験者、学生へのメッセージ

これからエコ検定の受験勉強をはじめるみなさまへ

私は、なんとしてでも合格したいという強い思いから、集中して学習し、短期の学習時間で一発合格しました。合格のためには、公式問題集を徹底的に繰り返すことが何よりも大切です。問題集を読み、解答してみてから、テキストを読み始めてもいいくらいです。試験まで学習時間がないなら、なおのこと、問題を解く時間を確保してください。過去問題は最低3回解く、そして5回繰り返せば合格ラインに乗るでしょう。私は、問題と解答を回ごとに切り離して、解答だけをいつも持ち歩いて、スキマ時間に目を通していました。「どこがポイントで出題されやすいか」を知ってからテキストを読むことで、理解は格段に深まります。
また、勉強を苦労と思わず、楽しんで取り組んでいただきたいです。いつも同じところを間違えるならば、自分の好きな歌の替え歌にしてリズミカルに歌って覚えましょう。その方が確実に記憶にインプットされます。問題文を音読して、通勤時間や家事の合間にイヤホンで聞くのも効果的です。
みなさまが、晴れてエコピープルとなって発信される取り組み事例を参考にさせていただける日を、今から楽しみにしております。
そして、地域を越えたエコユニットを、一緒に組めるといいですね!

写真提供:北海道沼田町

※この情報は2017年7月6日時点での内容です。
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