
去る6月9日(水)、東京商工会議所にて開催された「エコユニット・サロン」から、グリーン購入ネットワーク専務理事・麹谷 和也(こうじたにかずや)氏の講演「新たな領域へ グリーン購入」と、続いて行われたグループディスカッションの主な内容をご紹介します。
【講演】
新たな領域へ グリーン購入
講師: 麹谷 和也 氏
これから取り組むべきグリーン購入の意味と基本
グリーン購入とは、モノを購入するときに、値段、見た目、品質、便利さなどに加えて、環境面からも考えて選ぶことをいいます。「買い物から始めるエコ」といってもいいでしょう。買い物をするときには、以下の4つを熟考すること、それがグリーン購入の基本です。
1.必要性を考える
購入するときに、 本当にこれは生活に必要なものなのだろうか、所有すべきものだろうか、それともリースで十分なものだろうか等を熟考します。モノの購入からサービスの購入へ、つまりこれをグリーンサービサイジングといいますが、モノを購入しなくても、そのモノの使用価値を購入すればいい、所有から共同利用へという発想に転換する必要があります。
2.製品やサービスのライフサイクルについて考える
モノを購入するときに、品質や価格だけでなく環境についても考える必要があります。その際、モノが資源採取から製造、流通、使用を経てリサイクルまたは廃棄されるまでの環境負荷――つまり、各工程で排出される二酸化炭素、水や大気の汚染物質、廃棄物など製品やサービスのライフサイクル全般の環境負荷を考えることが重要です。
たとえば、鉄、プラスティック、牛肉各1 kgのうち、環境負荷が高いものはどれかといえば、牛肉1kgです。牛肉が鉄やプラスティックよりも明らかに環境負荷が高いのです。私たちは、製品やサービスに係る環境負荷についてあまり意識せずに過ごしているのが現状で、身近な話しで考えると食品でもフードマイレー ジや地産地消、有機的酪農など。環境の物差しを充てると少し価値観が変わってきます。
さらに、天然資源の持続可能な使用をしているか、長期的に使用できるか、 再使用は可能か、リサイクルは可能か、再生素材などを利用しているか、処理や処分が容易であるかなど、製品のゆりかごから墓場までを考えて選ぶことも重要です。
3.事業者の取り組みを考える
モノだけではなく、製品やサービスを生み出している事業者の環境負荷軽減活動にも目を向け、努力している事業者から優先的に購入することも重要です。その見極めは、企業が環境マネジメントシステムを導入しているか、省エネ・省資源、化学物質の管理削減、グリーン購入な ど環境への取り組みを行っているか、環境報告書など環境情報を公開しているケースが多くなっていますので参考にしましょう。
4.環境情報の入手と活用
製品やサービスを購入するに当たっては、環境情報を積極的に入手することです。環境情報の取得には、第3者機関によるエコマークなどの環境ラベル、 GPN(グリーン購入ネットワーク)のエコ商品ねっと等から情報を得る方法、事業者の商品カタログやホームページ、環境報告書などから情報を得る方法があります。
グリーン購入は環境と経済を両立させる
グリーン購入とは、第一に、環境問題を入り口から解決する手段 といえるでしょう。
環境問題は、皆さんもご存知のように、大量生産、大量消費、大量廃棄から生じた問題で、環境負荷の大きな消費活動によって、 ごみの増大、環境汚染、地球の温暖化などのさまざまな環境劣化を招きました。そこで、入り口のところで、環境に配慮した消費活動であるグリーン購入によって、(1)購入量を削減し、(2)有害物質を含まないもの、(3)リサイクルしやすいもの、(4)省エネ省資源につながるものなどを考慮することで、さまざまな環境問題の発生要因を根本的に解決することにつながっていくのです。
第二に、グリーン購入は循環の輪を完結させる方法であるということです。
グリーン購入によって再生品を優先購入するということは、分別排出・回収により再資源化された再生品を循環の輪に乗せることにつながります。このように消費者がグリーン購入を実践し、企業に対して製品やサービスの環境配慮や環境負荷低減活動を求めていけば、結果として、企業は市場を通して環境経営を行い、環境製品の開発を促し、環境と経営が両立する持続可能な社会経済が構築 できます。消費者のグリーン購入が持続可能な社会を生み出すのです。
グリーン購入の普及に最も影響を与えたのは、2000年(平成12年)に制定されたグリーン購入法です。これによって国は環境物品を調達する義務があり、地方自治体は努力義務を負い、企業や国民はできる限りグリーン購入に務めるのが望ましいとされたのです。
最近では、ISO14001環境マネジメントシステムの普及拡大により、電力やごみの削減とともに、グリーン購入を目的目標の一つとして取組む企業も増えおり、これからは環境と経済とを両立させる手法の一つとしてグリーン購入が重要度を増しているといえます。

会社、社員共に環境ビジネスの重要性を認識、環境マインドも企業活動レベルで維持していることを前提に、そこから企業の売り上げに貢献する環境活動とは何かを考えた。
結果は、お客さまに環境へのトライを理解・納得してもらわなければ環境活動は継続できないということ。ついでのエコではなく本業の中にエコを組み込み、企業と消費者を納得させるサービスを続けることによって、取組を継続的にブラッシュアップしていくことが大事である。
[麹谷講師のアドバイス]
環境活動の継続には、コストに見合う利益率のアップが求められる。自己満足に終わらせないように、取組の成果と課題を社内で共有するとともに、お客さまへのアピールを心がけ、お客様に支持していただくことで利益率をアップさせ、その評価を会社側が納得できるようにプレゼンテーションすることが重要である。
Bグループ
テーマ 「エコとエコノミーを両立」

グリーン購入を増やしたいといってもエコ製品は価格が高い、価格の割りに性能がもう1つという場合もある。そこで、製品に目を向けるのではなく、それを購入する人に目を向けてみた。
イニシャルコスト、ランニングコストをトータルで安くするには、エコ製品を求めるエコマインドの高い人々を作り出すことである。それには、エコに関心があり、エコを行動に移そうというエコピープルが500万人に増えるよう、企業の内外に声を掛け合っていったらどうだろう。500万人が手をつなげばエコ製品も価格が下がり安定する。さらに優れたエコ製品の開発も進む。エコなくしてエコノミーはないということも確信できる。
[麹谷講師のアドバイス]
たとえば容器をバイオにしてもエコに関心がないお客さんは容器ではなく中身にしか価値を見出さない。グリーン購入を勧めるには結局エコマインドの高い人をどう作り出すかに行き着く。そういう意味ではエコピープルの増加と、連携によりエコ活動の内容や意味をひろめていくことは大事である。
Cグループ
テーマ:「社内・社外への環境活動の推進」

まず自分がやっていることの環境負荷をチェックし、モチベーションを高めると同時に、環境活動の成果を逐次、報告会などを開いて公表していくことが大事だ。社内、社外ともに環境活動の情報を共有化することによって、環境に興味をもっている人が集まるようになり、環境活動も広がっていくのではないか。
また、報告書やホームページも少しでも関心をもってもらえるように、見せる化の工夫、デザインも重要との意見があった。
[麹谷講師のアドバイス]
環境活動を広げるために、環境活動の成果を、報告会などを通して公表するのはとてもいいことだ。少なくとも3年は繰り返し続けると軌道に乗ってくる。社内・社外の情報の共有によってパワーを引き出し、次のアクションへつなげる。これが活動を継続させるコツである。
Dグループ
テーマ:「環境活動の社内・社外への認知度を上げる」

今や、環境活動に対するトップの認識は必要不可欠であり、社員も常に環境に関する勉強会を開いて理解を深め、会社に対していろいろな提案をしていく必要がある。トップと社員との関わりが、社外にも影響を及ぼすのではないか。社外に対しては、ネット、ホームページの活用が輪を広げる手段になる。また製品に「環境」を落とし込んでいく、それによってカスタマー、クライアントにアピールすることも考えたい。
[麹谷講師のアドバイス]
製品というコアビジネスに環境を落とし込むことはとても重要。環境への取組は、CSRの重要な項目の一つであり、経営理念にも匹敵すると考えられる。それ故トップが先頭に立ち、自社のマネジメントシステムの中に環境活動を制度として落とし込むによって継続的な取組とすることが重要だ。そして、活動の結果を、社内・社外にタイムリーに情報発信し続けることが大切である。
◇チームMAEDA (前田建設工業株式会社)この記事を参照しているブログ一覧: <レポート>エコユニット・サロン
~研究会&交流会~2010
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