政府は、3月上旬、温室効果ガスの主要排出国が電力などの8分野ごとに削減量を算出し、国別総量削減目標を決めるポスト京都の新たな枠組みを、国連気候変動枠組条約事務局に提案しました。
提案は、2013年以降の温室効果ガス削減の国際的枠組み(ポスト京都)について、「セクター別アプローチ」と呼ばれる国別総量目標の手法を具体化。「電力」「エネルギー集約型産業」「その他産業」「民生」「運輸」「農業」「土地利用・土地利用変化・林業」「廃棄物」の8分野ごとに二酸化炭素(CO2)の削減目標を決め、積み上げていきます。
福田首相が1月のダボス会議で表明した構想をまとめたもので、▼「長期目標」として世界全体の排出量を10?20年でピークアウトさせ、2050年での半減を目指す、▼「革新的技術開発」として、実用化の可能性のある技術を特定して国際的に取り組む、▼「中期目標設定」として、主要排出国がセクター別の効率指標を用いて削減ポテンシャルを検討・算出して積み上げ、国別の総量削減目標を設定する、などとしています。
中期削減目標の対象となる8分野はさらに産業別に細分化。産業ごとの独自の指標でCO2排出量の削減目標を決める。たとえば、鉄鋼では、エネルギー効率の高い技術の導入によって、粗鋼1トンあたりの生産で、どの程度CO2排出量を抑制できるかを算出。粗鋼生産量の見通しをかけ合わせ、鉄鋼業界としての年間削減量を決めます。
また、省エネ技術が途上国に移転されるような仕組みや、途上国などの適切な国家適応計画の策定を支援すること、緊喫の適応ニーズが高い国の脆弱分野に集中的に資金を支援すること、なども盛り込みました。
政府は7月の北海道洞爺湖サミット(G8主要国首脳会議)で合意取り付けを目指すとしているが、セクター別アプローチは削減可能な目標を積み上げて国別総量目標を決めるため、あらかじめ国ごとの上限を決める方式に比べて産業界などが受け入れやすくなっている半面、「今後10?20年で世界の排出量を減少に転じさせる」という中期的な目標が達成できるかどうか、疑問視する声もあります。
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