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2010/07/16未来への学びと持続可能性 ~論文・インタビュー(1)~
三重県立木本高校 坂田広峰さん
小中学校に続き、高等学校でも新指導要領が告示され、中長期的な新しい時代の学びの方向性を示すキーワードとして、 「持続可能性」が盛込まれました。このほど新指導要領における「持続可能性」について、三重県内の関係教員への説明を担われた坂田広峰さん(三重県立木本高等学校教頭)が、新指導要領の資料として執筆された論文「未来への学びと持続可能性」をエコピープルの皆さんに向けて公開してくださいました。
論文をご紹介するにあたり、坂田先生が日頃より尽力されている、行政・教育現場における「持続可能性」の理解と「持続可能な社会」の実践に向けた活動について伺いました。
新指導要領解説 「未来への学びと持続可能性」
―― 本稿を執筆された背景についてお聞かせください。
教育の現場や環境行政を経験してたどり着いたキーワードは、やはり、「持続可能性」です。この言葉について、今回、改訂された新しい学習指導要領においても、くりかえし、多くの教科・科目の中に登場しています。しかしながらその理解が必ずしも十分ではないのが、この「持続可能性」という言葉です。
そこで、本稿(論文)では、この言葉がなぜ新指導要領に盛り込まれたのか、どのように明示されているのか、その歴史的な背景も含めて、「持続可能性」のための教育 の実像と展開のヒントに迫っています。新学習指導要領の告示に際し、公民科代表として、県の指導要領伝達講習会等において、県内関係教員に新指導要領「公民科」における「持続可能性」についての説明を担当しましたが、更に広く、様々な分野で環境保全に取り組まれている皆さんに、教科毎など体系的に整理された「持続可能性」の視点を知っていただき、環境活動を検証する機会や活動推進のヒントとしていただきたいと考えています。
※右図をクリック→ダウンロードしてご覧ください。
環境活動等の資料として使用される場合は、出展を明記してください。
教育の現場で―― 持続可能な教育として、身近にある材料、地域的、伝統的活動の再構築とありますが、具体的にはどのようなお考えをお持ちですか?

世界遺産の中にある木本高校私の学校のある三重県熊野市は熊野古道や七里御浜で知られる世界遺産のあるところです。青い空とそれを映す海原、緑深い山々、そして、悠久の神々の歴史の香りのする美しいところです。
しかし、若者たちは高校を卒業すると多くが街を離れます。今、社会では地域主権の叫ばれる中、「自分たちの地域を自分たちでマネジメントすること」が求められていますが、地域を持続可能なものにするためには、「若者たちが自分の地域の良さを知り、それを学ぶ機会を創ること」がこれまで以上に重要な喫緊の課題となっています。幸い、ここには、ユネスコの世界遺産「熊野古道」があります。「世界遺産を通じて、世界とつながっている」ことを生徒には誇りに思ってほしいと思います。もちろん、それは、持続可能な社会の実現のための教育の豊かな素材でもあります。学校から10分も歩けば、七里御浜の広大な浜辺が拡がっています。時々、浜から海を眺めると、「この景色は、今から何百年前も同じようにここにあり、何百年前の人々が同じように眺めていたはず、そして、おそらく、このあと何百年先の人々も今の私と同じようにここから眺めているはず・・・」と思うことがあります。
「持続可能性のイメージ」がここにあると私はいつも感じています。
この熊野にはそう感じさせる風景があちらこちらに拡がっています。(写真:松本峠から七里御浜を望む
坂田先生)eco検定
―― 現在、eco検定を取り入れた学習プログラムを考案中とのことですが、どのようなメリットを想定されていますか?
具体的には、本校の全日制の総合学科の学習メニューの内容に、「eco検定」を紹介する学習を取り入れる準備をしています。
現在、本校では、地元熊野市の「環境美化ボランティア推進事業」(アダプト・プログラム=住民団体などが里親となって、道路や公園など公共施設の一定区間を「養子」として見立て、我が子のように愛情を持って清掃、草刈などの世話をする「環境美化ボランティア推進事業」)に参加し、全日制は七里御浜の清掃や街並みの清掃、定時制は、熊野古道の清掃遠足や近くを流れる川の清掃活動などを行っています。 学校横の水路には、定時制の授業のある夜の時間帯に蛍が飛んでいますが、いつまでもこの環境を守りたいです。
これらの活動を基盤にして、座学でも環境を学ぶ機会、自分たちの行動の地球規模の中での位置を知る機会を持ちたいと考えています。
行政の現場で
―― 行政・地域・学校とが連携して実現した取り組み事例はありますか?
かつて、環境行政にいたときに、県の環境教育の基本方針に基づく地域プログラムづくり、通称「地域から発信!環境教育実践事業」を担当しました。3つの地域に3つの作成委員会を設置し、同時進行で環境プログラム作りをしましたが、その中の一つに、三重県志摩市の取組がありました。
「多様な生き物の生息する海こそ、最も持続可能な海」ということを目指したこの取組は、減少した干潟を地元の漁業者、自治体(県水産研究部、志摩市)、大学、企業、NPO、そして小学校等の多様な主体が一体となって再生し、その干潟を活用した環境学習プログラムの地域展開例で、今日、目指すべき「生物多様性」の時代を先見する、地元の人々、行政や民間、学校等、「多様な主体」が協働した三重県の象徴的な「生物多様性」に係る取組でした。
こうした地域資源を活かしたプログラム作りが地域の中で拡がっていくことこそが「持続可能性」の教育の成果として、地域の再生につながるものとして、今後大いに期待されます。インタビュー(2)へ続く
三重県が全国に先駆けてエコポイント制度を採用した際、坂田先生は、県の環境活動室環境活動グループとして、エコポイントの普及にも取り組まれました。インタビュー(2)では、エコポイント制度活性化の要点について伺います。
→ インタビュー(2)へ
坂田 広峰氏
?環境と持続可能性の教育における主な取り組み? 教員時代:三重県立桑名北高等学校◇草創期であった総合的な学習の時間を「みらい」と命名、さまざまな学びを創造
◇指導と評価を一体化する学習歴を保存する「ポートフォリオ」を活用した学び
◇普通科高校ではあまり例のなかったインターンシップを学年全生徒に実施 他
・「みらい」記事 /・インターンシップ関係三重県環境森林部時代 ※県立学校から出向
(環境活動室環境活動グループ・環境保全活動・環境教育関連事業担当)
◇みえのエコポイントと呼ばれていた、省エネ活動の普及
◇県内スーパーや市町と連携したレジ袋削減協議会、環境NPOと行政との連携
◇県の環境教育と環境活動の基本方針づくりに参画
◇基本方針づくりを受けて県内各地での環境教育プログラム作成 他
・環境保全活動・環境教育基本方針 /・環境教育プログラム集三重県教育委員会時代
(教育総務室職員・教育委員会内のISO14001担当)
◇平成18年に、ESDをわかりやすく表現するためのキャッチコピーに選定
作品 『この地球(ほし)を 未来につなぐ 学びの10年』
・外務省リリース ・ESDパンフレット(画像)
三重県立北星高等学校時代
◇平成20年、県立北星高等学校の
「太陽と水と緑のプロジェクト」洞爺湖キッズ
サミット参加宣言の取組が外務省から優秀
賞を受賞
(写真:表彰を受けた同プロジェクトの水の
取組「雨水タンク タメ夫さん」)
・キッズサミット関連記事三重県立木本高等学校(現在)
◇新学習指導要領の告示に際し、公民科代表として、県の指導要領伝達講習会
にて県内関係教員に新指導要領における「持続可能性」についての説明担当
・各種セミナー・講演トラックバック(0)
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