今回紹介する団体は鵜殿クラブです。
鵜殿クラブは、大阪府高槻市道鵜町の鵜殿ヨシ原研究所が設立した集まりで、鵜殿のヨシ原の自然を、より多くの市民が身近に感じていただけるよう、毎月自然観察会を開いています。鵜殿のヨシ原は高槻市の淀川河川敷に広がる75haほどのヨシ原です(下の写真は5月頃)。
鵜殿の地名は935年、紀貫之の土佐日記にも登場し、「こよひうどのといふところにとまる」の記述があります。ここで採れるヨシは雅楽における篳篥の蘆舌(リード)の材料として最適で、宮内庁では鵜殿産ヨシのみを用います。
以前ヨシは葦簾などに盛んに利用されました。ヨシの刈り取りは、吸収した窒素等の栄養分の除去に相当するため、河川の浄化に有効です。しかし現代はヨシの需要が激減した上、治水の完備による水位の安定化でヨシ原の乾燥化が進み、環境が悪化しています。
鵜殿ではヨシ原保全のため、早春にヨシ原焼きを行うのが恒例行事です。これが行われないと、雑草や害虫の増加などにより、ヨシ原全体の環境が打撃を受けます。最近はヨシ原の乾燥化を防ぐための導水路の敷設や、切り下げ地の造成も試みられていますが、私たちは観察区を設定して、つる草等の徹底除去を行い、その効果を調査しています。また、冬季にはヨシ紙などに用いるためのヨシ刈りを行います。昨年はヨシと近縁のセイタカヨシの刈り取りも行いました。これは、大阪の日本民家集落博物館の日向椎葉の民家の改修に必要だったためです。
鵜殿には、ノウルシ、西日本では鵜殿でのみ確認されているトネハナヤスリ(上の写真)、大阪府では絶滅と見なされたアゼオトギリなど、希少な植物の宝庫です。また、カヤネズミ、キツネなどの動物も生息しています。去年8月には、3万羽近くのツバメが集団ねぐらに集結する様子を観察しました(下の写真)。
連絡先: 鵜殿クラブ
〒569-0011 大阪府高槻市道鵜町4-12-5 鵜殿ヨシ原研究所内