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  • 立ち枯れる丹沢のブナ
  • 2009/02/28

立ち枯れるブナ.jpg

 2月に神ノ川方面から丹沢の檜洞丸(1600m)に登った。源蔵新道から金山谷乗越に出て、檜洞丸に登り、熊笹ノ峰を通って犬越路から下った。すそ野まで真っ白い富士山が雄大な姿を見せていた。

ニホンジカ足跡.jpgこの時期は、丹沢も雪で覆われている。しかし、全く雪がない。檜洞丸周辺は、丹沢山塊の中でも奥まっていて登山者も少ない。それだけ、自然が残されている聖域だ。ガレ場には、山道と平行してニホンジカが通った足跡があった。

 主稜の尾根道を歩いていると立ち枯れしているブナが目立つ。立ち枯れの原因は、1993年以降から大発生するようになったブナハバチの食害の仕業だ。

bunahabati .jpg このハバチは、学術的に解明されてなく、2000年に初めて学名が付けられた。ブナの若葉が展開する5月から6月頃、羽化した成虫が葉裏に産卵して大発生し、体長5?20mmの緑色の幼虫が若葉を僅か1ケ月程で食べ尽くす。本来なら、鳥や昆虫、寄生菌などの天敵によって、これほどの大発生はしない。ところが、その制御作用が丹沢ではあまり機能していないようだ。このままでは、丹沢のブナは、衰退していく一方である。
 氷河期の生き残りと言われるブナは、寒さと湿気を好むが、温暖化の進行は気温上昇と乾燥化をもたらす。 ブナの林床植生のスズタケ(笹の一種)の過密化したニホンジカの食害も、乾燥化に拍車をかけている。

 車の排気ガスによる光化学オキシダント汚染にさらされて弱っている所に、このブナハバチの幼虫の食害が立ち枯れを決定付けた。栄養を蓄えることなく、シーズンに2度芽吹くことは、前年蓄えた栄養をも消費する過酷な状態だ。
 幼虫の大発生のメカニズムは、よく分かっていないが、ブナの展葉開始とブナハバチの羽化のタイミングが合ってきたことも一因なのかもしれない。温暖化は、こんな所にも影を落としているのだろう。

 一人ひとりの地球にやさしい行動が 今、すぐ必要だ。

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ナルおじさん

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