このシンポジウム開催の主旨は、以下の2点。
1.サーフィンに関する科学的・工学的な分析(科学的なサーフボードの分析、
地形や波高データなどに基づいた自然の波の形成、土木工学から見た海岸
の侵食と波の関係など)を行い、その結びつきを理解し、認識を深める場を
創ること。
2.サーフィンを取り巻く状況(自然環境、海の安全対策、地域振興、観光振興、
教育文化、健康促進など)から、今後のサーフィンの在り方を考え、将来世代
にもサーフィンが出来る素晴らしい環境を残して行けるような環境を創ること。
プログラムは全部で9つあり、その中の2つに今回S.F.J.(サーフライダー・ファウンデーション・ジャパン)からは、許正憲 副代表と海岸調査チーム竹内氏が発表を行いました。
プログラム全体のなかでも特に興味深かったのは「人工サーフィンリーフ」の動向についてです。「人工サーフィンリーフ」という言葉はあまり耳慣れないものですが、海に人工的な構造物を入れて波をそこで砕けさせようとするものです。
これについては、2000年以降に既に海外では例があるようですが、実際に波が良くなる日数が少なかったり、海底に埋没して失敗したりと、あまり評判はよくないようです。
日本では、和歌山サーフィン連盟(WSA)が、和歌山県那智勝浦町で初めて人工サーフィンリーフの検討を行っていました。写真(上)にあるような人的構造物がそれであり、そのブーメラン型の砕石は1t近くも重量のある巨大なものです。それは、防波堤の役目も果たし、砂浜の減少、地形の変化によるサーフポイントの減少やサーファー人口の増加によるサーフポイントの混雑の問題解決になる可能性もあります。しかし、海に人工構造物を入れることによる環境への影響は未知数であり、多角的な検証を十分に行い、今後も慎重に進めなければならないという認識で多くの参加者の意見が一致しました。
人工サーフィンリーフによって波が良くなることはサーファーにとっては歓迎すべきことかもしれませんが、その代償としてまた別の環境問題が発生するとしたらどうでしょうか?
本来サーフィンとは、一年に数回しか立たないビッグウェーブを待つような純粋な気持ちを大切にし、そのままの姿の自然のリズムに調和して自然を敬う心で望むものです。
決して"魂を売る"ような事をしてはいけませんね。
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