エコピープルDo
エコレポート
  • 2009/07/07
    コンクリート護岸が花咲く溶岩ポットに変身!
    ?立会川に見る都市河川の環境改善?

花咲く溶岩ポット.JPG 立会川護岸.JPG

 美しい花咲くポット、これは東京都品川区・立会川護岸6月5日のスナップです(写真:右上)。
古くなったコンクリート護岸が溶岩パネルと溶岩ポットに、そして住民による花植えで変身した取り組みについてレポートします。

 ここ東京都品川区・立会川周辺は、縄文時代の貝塚が出土する、幕末では土佐藩下屋敷があり、坂本竜馬が出没したという興味深い地域です。
 今は住宅や商店が密集した街。立会川は東京湾から国道1号線を横切り山の手方面に延びる川幅数mのコンクリート三面張りの都市河川。その川面の見える長さは河口から 800m程しかなくその上流は暗渠として蓋がされ車道や舗道となっています。護岸も高いフェンスに囲まれており、まさに洪水対策と安全優先の典型的な都市河川です(写真:右下)。

住民と行政の協働

 これまでの都市河川は河川に求められる基本機能(雨水を氾濫させずに速やかに流す)を備えてきましたが、これに付加価値をどう実現していくか、住民と行政が一体となって取り組んでいます。

立会川周辺うるおいプロジェクト.JPG 花咲く溶岩ポット2.JPG
 平成15年7月に「立会川周辺うるおいプロジェクト」が付近の町内会と商店会が中心となり、区役所のバックアップで発足(写真:右上)。
会議を活発に行い、空き缶回収器設置、立会川水質浄化実験、環境美化運動、花壇の設置、打ち水大作戦等に取り組みました。
 平成19年2月にはテレビで溶岩パネルの効果を知ったメンバーの要望により溶岩パネルと溶岩ポットの設置が始まり、二期工事で下流の約100mを除いて施工が完了しました。その下流についても近々同様な工事が予定されており、川面が見える護岸は全て整います。

 また、この取り組みで見逃せないのは住民の維持管理活動です。ポット一つひとつに管理する人の名札が立っています。水をやり手入れをする行為があればこそ美しい緑や花が人々に癒しを与えてくれます(写真:右下)。
 立会川の取り組みは、都市河川改善の一つのモデルです。住民と行政の協働、溶岩パネル、この二つの面から今後も見守りたいものです。

チョット一言!
コンクリートは都市を形成する道路や河川護岸、人工構造物等の社会資本の大切な材料です。しかし、コンクリート表面は生物を寄せ付けない無機質なもので生物との共生を進める上では好ましいものではありません。一方、溶岩は多孔質という小さな孔が無数に開いており保水性があります。溶岩パネルは既存構造物を壊さないで後貼りで取り付けられるものです。この表面にある溶岩の保水性が次の二つの点で環境的に評価できます。
1. 生物共生の可能性
溶岩の孔に水やゴミが溜まり微生物が生存し、苔やつる性植物の根が付着育成できます。現に溶岩施工河川護岸では小植物と小動物が生きている例は数多くあります。
2. ヒートアイランド緩和への貢献
孔に溜まった水は気化する時に気化熱を周囲から奪います。エアコンや冷蔵庫の冷やす原理と同じす。その熱量は私の試算では一度の降雨で1?当り 860?保水しその気化熱は1947KJ(キロジュール)、年間では(東京の平均降雨日は50日)97.35MJになります(*)。夏に不要水を溶岩パネルに撒けば打ち水大作戦と同じように気化熱を期待できます。

*計算式とその説明
(1)溶岩パネル1?当りの保水量は実測です。この方法は、乾いたパネルの重量を予め計り、濡らした重量との差を求めたものです。実際の降雨では蒸発時でも新たな雨水の取り込みがあるはずですが、わかりやすくするために一度の降雨でパネルが一回満水(保水)となる、と仮定しています。
(2)気化熱量は水1g当たり2264Jを計算基礎としました。この値は、2250Jとか2.5KJとかの数値があり、概数であると理解しています。
(3)水温で気化熱の数値が異なることは確かなのですが1%以下の殆ど無視してもよい範囲のようです。雨水温度は0?30℃の範囲でしょうから計算では無視できると考えています。
この記事のレポーター
大杉 正孝さん

トラックバック(0)

この記事を参照しているブログ一覧: コンクリート護岸が花咲く溶岩ポットに変身!
?立会川に見る都市河川の環境改善?

この記事に対するトラックバックURL: http://www.eco-people.jp/cgi/mt/mt-tb.cgi/769

これまでのレポート