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エコレポート
  • コンクリートを緑の森に
  • 2009/10/16

 皆様がご存知のように、高速道路は高速で走ることを前提に作られているため、交差点がなく、線形も緩やかです。そのため土を盛ったり(盛土)、山を削ったり(切土)、トンネル、橋梁の構造物が多くなるのが特徴です。そのうち、切土については、山の中腹から硬い岩石が露出することが多いので、勾配が急な箇所が多くなっています。

 首都圏中央連絡自動車道(圏央道)では、切土のり面において地域性苗木による緑化を行っていることを前々回のレポートに記述したところですが、近接する中央自動車道の建設当時(昭和43年頃)は、切土のり面の風化防止対策としてモルタルやコンクリート処理を行うことが通例でした。しかしながら、これらのコンクリートのり面は、周辺の自然景観と調和しにくいものであり、自然豊かな地域であることや周辺の集落からもよく見える位置にあることから、緑化が求められる状況にありました。

平成7年当時の切土のり面.jpg
▲平成7年当時の切土のり面の状況
 (黄線内が緑化対象地)
現在の切土のり面.jpg
▲現在の切土のり面の状況
 (黄線内が緑化対象地)
 このような背景を踏まえ、平成8年頃から、勾配が比較的緩やかな箇所においてコンクリートのり面の緑化を試みました。まず、コンクリート枠を設置し、根系侵入孔を設け、土のうを充填し、植生基材を吹き付けました。その後、植穴を掘削せずに張り付けることが可能な根鉢部分を薄鉢状にした袋状の地域性苗木(ユニット苗)を用い、袋の中に土や肥料を入れ、植生基材表面に釘で張り付けました。

 施工後約10年の年月を経て、コンクリートのり面は、地域性苗木により面的な緑が連続した状態となりました。施工年度による生存率の高低、植栽後の経過年数、植栽樹種の違い等により林相は異なりますが、概ね低木林の方向に進んでいます。植栽された苗木の樹高は低木種で2.5~3.5m、中木種で4.5m前後に達し、コンクリート自体はほぼ見えなくなりました。
 ここで施工したコンクリートのり面の事例を参考として、他の地区で切土のり面を地域性苗木で樹林化する例が増えてきました。今後も、自然環境に配慮した道づくりを考えていきたいと思います。
ユニット苗.jpg
▲ユニット苗






この記事のレポーター
舩橋 修さん

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