エコピープルDo
エコレポート
  • ゲンジボタルの光数低迷から環境変化の影響を考える
  • 2010/08/31


 昨年は、ゲンジボタルの発生数が前年よりも、大幅に減少した。原因は、前年の8月末に降ったゲリラ豪雨と思われる。上流では川の形が大きく変わり、ホタル発生場所は、コケが沢山生えた3面コンクリートの直線だ。幼虫も土砂と一緒に流されてしまったようだ。

 今年は、 26日の発生期間の内、発生初日から10日間は光数の低迷が続いた。
なぜだろうか? ホタルの一生を考えると:

●ゲンジボタルの幼虫は、コケに産み落とされた卵から孵化し、7月頃から流れの緩い小川でカワニナを食べながら成長する。

●翌年の4月に気温と水温が14度くらいになった頃の雨の日に上陸し、土の中に土蓑(つちみの)を作って、5月中頃まで潜んでいる。

●暖かくなって地温が23度くらいになると脱皮して蛹(さなぎ)になる。

●そして、11日目くらいで羽化を始め、14日目くらいの夕方から夜にかけて土の中から地表に這い出て、光を放ちながら、交尾の相手を探し求める。

 今年の4月の気温を調べると、幼虫が小川から這い上がる時期の4月15日から17日の期間が急に低温になっており、特に、4月17日には大雪が降った。この寒さで幼虫の多くが死んだのだろう。


genjibotaru1.jpg この身近な出来事は、この冬の北極振動による寒気の吹き出しの影響を受けていたようだ。温かくなったので、小川から這い出て、土蓑の中でじっとしていた矢先に、寒波がきたのだろう。寒さに耐えきれない多くの幼虫が死んだと考えられる。
 一方、前年のグラフと比較して見ていると、今年の気温の方が明らかに高い。

    [下図:ゲンジボタルの光数(2008年~2010年) ※クリック→拡大]

genjibotaru2.jpg

 日本は、今、猛暑に見舞われている。世界的にも異常気象による災害が起きている。ロシアでは、山火事や旱魃(かんばつ)が起き、パキスタンや中国などでは、豪雨による洪水で多くの人が犠牲になっている。また、旱魃による不作で小麦の価格が急上昇し、生活にも影響を及ぼし始めている。
 これらは、偏西風の蛇行、終息したエルニーニョ現象や発生したラニーニャ現象が影響していると言われているが、その背後には、地球温暖化による海水温の上昇も影響しているのかもしれない。

 このように、ホタルの調査を続けていると、異常気象は、身近な生物にも被害を与えているということが分かる。これは、世界中で起きている異常気象による災害によって、人類だけでなく、多くの生き物たちも犠牲になっていることを意味している。

 地球という奇跡の星は、多様な生態系の食物連鎖ピラミッドの頂点に人類が立っている。言い換えると、人類は、その下段の多くの生物によって支えられて繁栄を続けていることになる。異常気象は、その下段の生物にも被害を及ぼす。
 私達は、地球という大きな生態系の一員として生かされていることをを自覚し、地球環境の変化にもっと関心を持たなければならない。


この記事のレポーター
ナルおじさん

トラックバック(0)


この記事を参照しているブログ一覧: ゲンジボタルの光数低迷から環境変化の影響を考える

この記事に対するトラックバックURL: http://www.eco-people.jp/cgi/mt/mt-tb.cgi/1244

これまでのレポート
最新のコンテンツ
アーカイブ
  • eco検定アワード2011
  • eco検合格者のためのエコピープルメールマガジン
  • エコユニット
  • インフォメーション
  • エコピープル支援協議会からのお知らせ
  • ecoピープルオフィシャルグッズ

このページのトップへ